平城宮跡 風な日.Ⅰ ブ・タ・ナ

　　　　　　　　　　ひょっとしたら　風が写るかもしれない
　　　　　　　　　　久しぶりに　そう思って　都の址に紛れ込む

　　　　　　　　　　三本の木が　お行儀よく並んでるけど
　　　　　　　　　　あまりにも　都址が広すぎて
　　　　　　　　　　その存在に気がつかないのは　悲しすぎるかも…


　
　　　　　　　　　　かなりの時間　
　　　　　　　　　　風に追い立てられるようにウロツイテ
　　　　　　　　　　此処まできたら
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　別世界


　
　
　　　　　　　　　　背高のっぽの　たんぽぽ軍団
　　　　　　　　　　春に黄色い花を見ると　
　　　　　　　　　　たんぽぽ！って　脳が反応するって＞＜；


　
　　　　　　　　　　悲しいかな　この子はたんぽぽじゃないの
　　　　　　　　　　一回だけ　ほんとの名前を言うけれど
　　　　　　　　　　忘れてあげてもいいかもしれない
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　ブタナ


　
　　　　　　　　　　三本の木の下は　宇多奈理神社へ続く小道
　　　　　　　　　　その小道から野原を見下ろすと
　　　　　　　　　　小さな斜面を覆いつくす　黄色い世界
　
　　　　　　　　　　野原っていうけど　その下には遺跡が眠る
　　　　　　　　　　遺跡の眠る地面すれすれまで　体を丸めて
　　　　　　　　　　ふと　遠くを見れば…

　　　　　　　　　　　　　　　　　大仏殿


　
　　　　　　　　　　黄色い花は
　　　　　　　　　　風の行き先を教えてくれる....
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　あっち


　　
　　　　　　　　　　風の行き先を見定めようと　身をかがめると
　　　　　　　　　　今まで輝いてた山吹色の世界が
　　　　　　　　　　どこかに飛んでいった


　
　　　　　　　　　　背高のっぽの　たんぽぽは
　　　　　　　　　　一日中　遺跡の上で
　　　　　　　　　　揺れて　揺れて


　
撮影:2011.5.13　平城宮跡　お気に入りの場所にて